星に願いを彼に愛を
「藍、逃げるよ!」
雅は僕の冷めた手を取って走り出した。一体どこへ向かっているのだろう?
ふと真上を見上げると、そこには真っ暗な空にキラキラ輝く沢山の星たちがいた
「藍!」
そう叫んで雅は僕の手を離した
「人が沢山森の中にいるの。私には…。」
雅が言いたいことはわかった。
何でかって?それは僕は鬼だから、人とは違うから何故かモノの声がわかってしまうんだ
「大丈夫だよ雅。五年後、ここに来よう。」
「─────っ!!」
「元気でね、雅。…ρ(ロー)。」
「籃!!!」
星空に一つ星が流れる
僕らの周りには何も存在しない、木や湖さえも。
雅を誰にも知られない所へと飛ばして僕は星に願う。
彼女がどうか、五年経っても変わらずに死なずに生きていますように────と。
……そして。
「雅にまた会えますように。」
──────………と。