星に願いを彼に愛を

雅side





「らん…」


どうしたの?何であたしを狐のもとに預けたの?“本性”って…何?




「さぁ行こう、追っ手が来るぞ」



「あ、うん」



そう言ってあたしと狐は歩き出した。狐を先頭にして





藍は柊森でも優しい王子様だった。何にでも優しく接し、化け物を怖がらなかった




それが今はこうだ


人をたくさん殺してしまう。だからもう、優しい藍はいなくなっちゃったんじゃないかって…思う



それはあたしの勘違いだったが






あたしの周りはいつの間にか綺麗な海がある。どうやらあたしは一本橋を通っているみたいだ




あたしはまだ気付かない



だから藍の優しさにも気がつかなかったんだ





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