星に願いを彼に愛を
─────「 藍 」
( ………? )
「……藍」
ハッとして目を開けると静樹がいた。
顔が若い…
これは…“映像”?
「藍。僕はですね、姉様を守れるような鬼になりたいんですよ。」
「……………。」
僕が5歳の時、やっと物事を理解できるようになった時。
真夏のはずなのに柊森は涼しくて、それは母様のおかげだと兄様が言っていたのを思い出す。
川のせせらぎを聴きながら静樹は僕に語り始めた。
「真夏の柊森は涼しいのは姉様のおかげ。僕は何も出来ていない…だからさ、僕は外の世界で修行を積もうと思うんだ。」
夢を追う少年の瞳をしていた静樹に僕は何も言えなかった。
ただただ、聞いていることしか出来なかったのは僕が小さな子供だったからだ
……きっと。
「なぁ、藍」