星に願いを彼に愛を
「────……Υ(ウプシオン)」
母さんの綺麗な声が聞こえる。
きっとここは天国だ。
「違うわ籃。可笑しなことを言うのね?」
みやび…?
「君も天国に?」
「ふふ。いつの間にギャグ線上げたの?」
「何言って……雅?」
「えぇ」
気が付けば雅の顔が目の前にある。どうやら膝枕をしてもらってるみたいだ。
「良かった…起きてくれて。何度泣いたことか。」
そう言って泣き真似をする雅。
まさか本当に?!
「ご、ごめん………!!」
僕が謝ると雅は笑ってこう言った。
「嘘。」
「Δ(デルタ)」
「いった!!」
痛い痛いと言う彼女を見て微笑む。まるで昔に戻ったよう。
「……翠さんは?」
これが夢じゃないのは誰でもわかる。
「…………籃?」