かえるとねこ
それからしばらくして、

 
ハク・・・


ひなどりさんの首に、
誰かがかみつきました。

「あっ」

ひなどりさんはぎょっとして目を覚まし、
あわてて抵抗しましたが、

うまく羽が広げられず、
そのまま引きずるように
草のかげに連れ去られてしまいました。


「あんなところにいたらだめだよ」

ひなどりさんを連れ去ったのは、
ひなどりさんを心配して、
血のあとをたどって来た、
白いねこさんでした。

「ああ、よかった。ねこさん・・・」

ひなどりさんは安心して、
ねこさんに抱きつきました。

「おかあさんが・・・おかあさんが・・・」

ねこさんはひなどりさんの
背中をポンポンして、
ひなどりさんをうながしました。

「ひなどりさん、行こう?ね?」

「・・・うん」

ねこさんとひなどりさんは、
来た道を戻って行きました。
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