かえるとねこ
「・・・へんなのー」
「うん、へんなんだよ。
すごくへんなんだ。だってね、
にんげんさんのなわばりの中はね、
冷たくて、かたくて、
四角いものだらけなんだ。
そこらじゅうが灰色でね、
おかしな形にされた木が、灰色の中に
ぽつん、ぽつんとはえているんだよ。
それに、ものすごい早さで
目の前を走って行く黒い丸が、
数えきれないくらいたくさんたくさんあって
それにぶつかると死んじゃうんだ」
「えっ?こわい!」
「こわいよ。でもね、
そこには食べものがたっくさんあるんだ。
そこにはにんげんさんが、
うじゃうじゃうじゃうじゃいるけど、
ぼくはにんげんさんが誰かを殺しているのを
見たことがない。
それなのに、食べものはいつだって
どっさりあるんだよ。
ぼくも今まで誰も殺さずに、
にんげんさんがくれる食べものを食べて
大きくなったんだ」
「そうなの?」
「うん。だから、もう一度
にんげんさんのなわばりへ行けば、
食べものを持って来られると思う。
にんげんさんのところへ行くのは、
・・・すごく、こわいけど。
だって・・・、とりさんを持って行った時の
にんげんさんを見ちゃったから・・・」
「うん・・・」
「うん、へんなんだよ。
すごくへんなんだ。だってね、
にんげんさんのなわばりの中はね、
冷たくて、かたくて、
四角いものだらけなんだ。
そこらじゅうが灰色でね、
おかしな形にされた木が、灰色の中に
ぽつん、ぽつんとはえているんだよ。
それに、ものすごい早さで
目の前を走って行く黒い丸が、
数えきれないくらいたくさんたくさんあって
それにぶつかると死んじゃうんだ」
「えっ?こわい!」
「こわいよ。でもね、
そこには食べものがたっくさんあるんだ。
そこにはにんげんさんが、
うじゃうじゃうじゃうじゃいるけど、
ぼくはにんげんさんが誰かを殺しているのを
見たことがない。
それなのに、食べものはいつだって
どっさりあるんだよ。
ぼくも今まで誰も殺さずに、
にんげんさんがくれる食べものを食べて
大きくなったんだ」
「そうなの?」
「うん。だから、もう一度
にんげんさんのなわばりへ行けば、
食べものを持って来られると思う。
にんげんさんのところへ行くのは、
・・・すごく、こわいけど。
だって・・・、とりさんを持って行った時の
にんげんさんを見ちゃったから・・・」
「うん・・・」