かえるとねこ
「・・・ぼくね・・・、
知らなかったんだ・・・。
ぼくが食べるためには、
誰かが死ななきゃいけないってこと。
ぼく、今までほとんどにんげんさんの
なわばりから出たことなかったから。
にんげんさんは、食べものを無限に
作れるんだと思ってた。
・・・もしかしたら、
にんげんさんのなわばりの中にも、
ああやって、死んだ動物を持って行く
役割のにんげんさんが、
ぼくの知らないところに、
たくさんいたのかもね」
「うん・・・」
「ひなどりさんは・・・、
きっといやだよね?
にんげんさんと・・・
いっしょに住むのは・・・」
「いや・・・」
「そうだよね。やっぱりいやだよね」
「うん・・・。
にんげんさんは、どうしてねこさんに
食べものをくれたの?
どんなものをくれたの?」
「えっと・・・」
ねこさんは困ってしまいました。
にんげんさんがなぜ、ねこさんに
食べものをくれたのか分からなかったし、
にんげんさんがくれるのは、たいてい、
ふしぎな、変なかたちをした、
死んだにおいのしない、
でも生きてはいない何か、だったのです。
知らなかったんだ・・・。
ぼくが食べるためには、
誰かが死ななきゃいけないってこと。
ぼく、今までほとんどにんげんさんの
なわばりから出たことなかったから。
にんげんさんは、食べものを無限に
作れるんだと思ってた。
・・・もしかしたら、
にんげんさんのなわばりの中にも、
ああやって、死んだ動物を持って行く
役割のにんげんさんが、
ぼくの知らないところに、
たくさんいたのかもね」
「うん・・・」
「ひなどりさんは・・・、
きっといやだよね?
にんげんさんと・・・
いっしょに住むのは・・・」
「いや・・・」
「そうだよね。やっぱりいやだよね」
「うん・・・。
にんげんさんは、どうしてねこさんに
食べものをくれたの?
どんなものをくれたの?」
「えっと・・・」
ねこさんは困ってしまいました。
にんげんさんがなぜ、ねこさんに
食べものをくれたのか分からなかったし、
にんげんさんがくれるのは、たいてい、
ふしぎな、変なかたちをした、
死んだにおいのしない、
でも生きてはいない何か、だったのです。