かえるとねこ
ねこさんが答えに困っていると、
一匹のにんげんさんが、
にんげんさんのすみかの
一番高いところに現れました。

「あ、ねこさん、見て!
にんげんさんが出てきたよ」

「えっ?あ、ほんとだ。
あーんな高いところにいるの、
はじめて見た」

にんげんさんは、足をもつれさせて、
ふらふらっと出てきたかと思うと、

細長いところに乗って、
とろんと下を見ました。

にんげんさんが足をのばそうとすると、
にんげんさんの片足から、
何かがすっぽ抜け、
はるか下の地面に落ちました。

にんげんさんはそれを
ぼうぜんと見つめていました。

「・・・何のために生きるんだろう?」

にんげんさんはつぶやき、
細長いところから降り、何気ない様子で、
スーっと後ろに倒れました。

そこに地面はありませんでした。

にんげんさんはかたいかたい灰色の地面まで
真っ逆さまに落ちていきました。


ドスンッ!


にんげんさんは大きな音をたてて
地面に衝突し、動かなくなりました。
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