かえるとねこ
ねこさんとひなどりさんは、
にんげんさんが落ちたのを見て、

一瞬顔を見合わせて「ん?」という
表情をしましたが、

次の瞬間には、それっとかけ出し、
落ちたにんげんさんに近寄りました。

落ちたのは、
桜色の若いにんげんさんでした。


「あれ?若いにんげんさん・・・?」

「え?あ、ほんとうだ。どうして・・・?」

ふいに、ねこさんとひなどりさんは
視線を感じ、あたりを見回しました。

「わうあ」

一匹の老いたにんげんさんが、
すみかの中から見ていました。

「ひなどりさん、急ごう。早く隠さなきゃ」

ねこさんはそう言うと、にんげんさんの足を
ひっぱって動かそうとしましたが、
重くて、全く動きません。

ひなどりさんも、にんげんさんの
指をくわえて、飛ぼうとしましたが、
うまくいきませんでした。
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