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プロローグ
「人間は皆平等である」
だなんて・・・



偽善的だ。



幸せになれる人、なれない人はきっと
生まれる前から決まってる。


あたしがこんな目に遭うのは、運命だったんだ。



そう自分に言い聞かせてなきゃ、生きてられない。





「あたし、学校辞める。」


え?

お姉ちゃん・・・?

「佳織、何馬鹿な事言ってるの?」
「ほっといてよ!お前に何が解るんだよ!」


お姉ちゃんの頬に拳が飛んだ。
鈍い音がした。


「母親にお前って何!?ふざけないで!!佳織を産んでやったの誰だと思ってるの!?」
「誰も産んでくれなんて頼んでねえよ!!」


彼女の痛み・・・―――


誰も気付いてあげられなかった。

あたしも・・・解らなかった。



お父さんは違った。


「美佳子。俺達・・・離れた方がいいみたいだ。佳織は俺が連れて行く。佳奈と敬太はお前に任せた。」


お父さん?
それって・・・。



「離婚しよう。」



あの時、あたしたちは・・・―――


『家族崩壊』したんだ。
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