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第1章

新学期

「いってきまーす☆」
「いってらっしゃい、気をつけてね。」


吉野佳奈。中2。

元気で明るいちょっとおバカな女の子。


大好きな家族、信頼できる友達、いつも可愛がってくれる先輩、優しい先生に囲まれて楽しい毎日を送ってる。

頭は良くないけど・・・笑顔が取り柄だから。


そうそう、あたしは女子テニス部に入ってる。

入部理由は、ユニフォームが可愛かったから。


今は、先輩が引退して2年が引っ張っていってる感じ。

同学年とも後輩とも、キャピキャピはしゃぎながら楽しんでる。



彼氏もいる。

優しい、年上の彼氏。


最近は毎晩メールとか電話とかしてる。



彼はあたしの事が大好き。


あ、自惚れてる訳じゃないよ?

ほんとに、ベタ惚れなんだもん。


あたしも、彼が大好き。





・・・なんてね。


あたしはこんな幸せな生活送ってない。

こんな、キラキラな毎日じゃない。



ほんとのあたしは、もっと黒い。

だから、今度はもっと正しい自己紹介をしてみよう。



もっと現実的に、あたしを表現するのなら、きっとこうだ・・・―――



吉野佳奈。中2。


心の闇を誰にも気付いてもらえない。

だから、どんな時も皆に明るく接してる。


元気・・・なフリは、得意。



ちょっとどころか、あたしは超お馬鹿。

みんなが使う言葉、解らない時結構ある。


例えば、「曖昧」「四字熟語」とか。

どういう意味か聞いたら、驚かれ、笑われる。


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