地味子の秘密 其の参 VSワガママ姫サマ
本当に…よく今の状況になったよな。



『ところで、あなたの名前は?』


初めて会った家庭科室にからの帰り道。

本当に知らないという顔で尋ねられたんだ。




「彼女は―……お前に力があることを知ってるのか?」

「力…?どっちだよ?」


経済的なモノ?霊的なモノ?



「幽霊とか…よく視えてるんだろ?…そのことを杏ちゃんは知ってるのか?」


小声で問い掛けられる。



そっちかよ…。仕事してることかと思ったじゃねーか。




「知ってる。出会ったきっかけも、それだしな」

「なんだ。杏ちゃんも視えてるのか?」



視えてるつーか……なぁ?



「………杏は、日本全国の妖怪達から畏れられ…崇められる存在」

「は…?」



親父の目が点になった。
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