地味子の秘密 其の参 VSワガママ姫サマ
顔が真っ青になり、慌てて柚莉の口を手で塞いだ。


「んうん゛〜(杏樹〜)!」


キョロキョロと教室を見渡すが、誰もあたし達の会話は聞いていない様子…。


苦しがる柚莉にギロっと睨み付ける。



「んめんにゃない……」

「わかったなら、よろしい」


一呼吸して柚莉の口を解放してあげた。






「まだ隠すの…?」

「…………」


い…痛いところを……(泣)


「付き合い始めて……半年以上でしょ?」

「………そうですね」


「あの人は、皆に言いたくて堪らないみたいよ?…まだコソコソと付き合うの?」

「いやぁ〜……えっと…はい…」



柚莉の隣の席に座り、椅子を近付ける。



「…ご両親にも、お会いしたんでしょ?」

「はい…………」



自然と下に俯いていった。
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