地味子の秘密 其の参 VSワガママ姫サマ
チラッと視線を陸の方に向けた。
《俺の分は?》
《すぐに来るよ》
アイコンタクトで会話。
ガチャ……
「失礼します、滝本様いらっしゃいますか?」
扉を開けて、若い女の子が入って来た。
「はい、滝本ですけど」
ソファーから立ち上がり、女の子のところへ行く。
「……毎度ありがとうございます。地獄屋弁当です。食べたら冥土へご案内致しますので、お楽しみに」
「はい…?」
女の子は真っ白肌……肌と言うより紙の色。
ざんばらな黒髪で…頭には三角巾ではなく、小さな三角の紙を紐で括り付けていた。
「……まず……受付で舌をペンチで抜き取りますので、ご覚悟を…」
ニヤリッと気味悪く笑って、陸にお弁当を渡す。