地味子の秘密 其の参 VSワガママ姫サマ
抱きしめられて、良くわかった。
あたしと陸の体温の差を。
急に、体が寒さでカタカタと震え出す。
陸の温かい腕の中にいるのに、さらに体温は下がっていくような気がした。
「杏っ……杏っ……」
「……陸……泣いてるの…?」
片口に顔を埋めて、存在を確かめるように強く抱きしめられる。
頬に伝っているのは、温かくて…しょっぱいモノ。
陸が…こんな感じになったのは、過去2回。
どちらも……あたしが病院で目を覚ました時だった。
「杏………逝かないでくれ……」
「どこにも行かないよ?ずっと…陸の傍にいる」
小さく震える陸の体を、抱きしめようと…背中に手を回すが……
「杏樹……じゃあな………」
気づいた時には、陸の姿はなくて……体温の低いあたしのみだった。
あたしと陸の体温の差を。
急に、体が寒さでカタカタと震え出す。
陸の温かい腕の中にいるのに、さらに体温は下がっていくような気がした。
「杏っ……杏っ……」
「……陸……泣いてるの…?」
片口に顔を埋めて、存在を確かめるように強く抱きしめられる。
頬に伝っているのは、温かくて…しょっぱいモノ。
陸が…こんな感じになったのは、過去2回。
どちらも……あたしが病院で目を覚ました時だった。
「杏………逝かないでくれ……」
「どこにも行かないよ?ずっと…陸の傍にいる」
小さく震える陸の体を、抱きしめようと…背中に手を回すが……
「杏樹……じゃあな………」
気づいた時には、陸の姿はなくて……体温の低いあたしのみだった。