地味子の秘密 其の参 VSワガママ姫サマ
濡れた髪もイイが……乾かしていく度に、サラサラの指通りになっていくのも堪らない。



「はい。終わり」

「ありがとう…じゃあ陸のはあたしがする〜」


ニコニコ笑顔で、俺からドライヤーを奪い…乾かしてくれる。


杏の手が髪に触れるだけで、顔が熱くなって来た。

俺…こんな純情系じゃねぇのに……。



目の前に膝立ちで、楽しそうに俺の髪を乾かす杏…。

腰に手を回して少し抱き寄せた。


「ん…?どうしたの?」

優しい手つきで、頭を撫でてくれる。


「こんなゆっくりした時間…今まで無かったからさ。良いなと思った……」

「……だね」



普通のカップルじゃ…一生経験しないことを、俺達はして来てる。


妖怪に命を狙われたり…瀕死の重症を負ったり…(笑)
< 305 / 655 >

この作品をシェア

pagetop