地味子の秘密 其の参 VSワガママ姫サマ
乾かし終わったのか…ドライヤーの電源の切った。


「ありがとな」

「いいえ、こちらこそ」


フフッと笑って…コンセントからプラグを抜き、机の上に置く。


その姿を眺めていると、杏が俺の後ろに回り、抱き着いて来た。



「どうした?」


「ちゃんと言葉で言ってなかったなと思ってね…。今日は…痛い思いさせてごめんなさい」


首に回した腕に力を込め…顔をうずめる。



「杏のせいじゃねぇだろーが」

「……だけど……」


今日のは、誰のせいでもない。

雑鬼の悪戯だったんだし、すぐに治してくれた。

普通なら、完治まで1週間掛かるものを……ずっと早く治してくれた。


今じゃ…完全に治ってるし、痛みもない。



「杏が治してくれたんだから、もう気にすんな」
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