地味子の秘密 其の参 VSワガママ姫サマ
――杏樹Side――


時計を見ると、12時に近い。

「もう寝るか……」

「そうだね…」


返すと陸が部屋の明かりを消した。

ベッドに潜ると後ろから抱きしめられる。


「おやすみ」

「おやすみなさい」


小さく言い合って、陸が目をつむった。




…………。

どうしてかな?

大好きな人に抱きしめられてるのに…何だか寂しい。








「陸……もう寝た………?」


「ん…?どうかしたのか?」


優しい声で聞いてくれる。




「……えっと……ね?……もっと陸に近づきたい……」

「………は?」


今の言葉じゃ……意味わかんないよね……。




「……う゛〜……あのね?…ちょっと……いや……だいぶ?…寂しくて……ね?」


しどろもどろだわ……(泣)
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