地味子の秘密 其の参 VSワガママ姫サマ
「………ッ……!?」
パッと目を開けて、起き上がる。
着ていた服にシーツ……全てが、汗びっしょり。
「夢………だよな……」
額にピタリとくっついている髪をかき上げた。
ベッドから起き上がり、小さめの冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出す。
一気にそれを飲み干し、空をごみ箱へ放り投げた。
目覚まし時計を見ると、午前3時過ぎ…。
もう一度寝る気分にはなれず…、ベランダへ出た。
季節は、蒸し暑い夏。
高校生活二度目の夏休みに入って…数週間が過ぎている。
去年とは違い、杏という彼女が出来たので…休みの日は、出掛けるように心がけているのだが………
最近…気づいたのが、
『杏には、欲がない』ということ。