地味子の秘密 其の参 VSワガママ姫サマ
キャピキャピしていたお母さんまで真剣な表情になる。


「杏樹は夢とかあるの?」

「夢……?」

「何になりたいとか…こういうことしたいとか」

「…怪我しない人生なら何でも。あー…誰か良い人が居たら、結婚したいかも」


口に指を当てながら答える。



「ぶぶっ…あははは…」

お父さんとゲラゲラと笑い出した。


「残念だね。杏樹の中で(君と結婚することが)選択肢として入ってないよ♪」

「・・・・・(泣)」


喜びお父さんと落ち込む陸。

どうしたんだ…?わかんないや。



首を傾げたまま、お父さんを見つめる。



「お父さん達は、杏樹に継いでほしいんだ。お前なら社長として充分な力がある。是非やってくれないか?」


お父さんがあたしに…頭を下げた。
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