地味子の秘密 其の参 VSワガママ姫サマ

「なんで見に来たの?」

「……見たかったから。本物よりも可愛すぎて、今すぐ食いたくなったがな」

「はい?……お腹空いたなら何か買って来ようか?」

「………いらねぇ」

「あらそう……じゃあ買って来なくて良いんだね」

「………やっぱ鈍感」


ブツブツ言ってる陸を放置して、ステージ発表の方に意識を向けた。



今は、ファッションショーが行われてる。


制服アレンジからウエディングドレスまで―…ジャンルは幅広く、女の子達がキレイにメイクをして、ステージを颯爽と歩いていた。



「杏はさ―…和と洋なら、どっちが好き?」

「ん〜…どちらかというと和かなぁ…。それがどうかしたの?」

「別に?……まぁ未来のお楽しみだな」

「???」


意味深に笑う陸を不思議な顔で見つめる。


しかし……陸は嬉しそうに笑うだけだった。
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