地味子の秘密 其の参 VSワガママ姫サマ
――杏樹Side――



「オンアビラウンキャンシャラクタン――!」



あたしの霊力が爆発し、大髑髏が木っ端みじんに吹き飛ぶ。



真っ暗闇の中を清涼な霊気が光の筋のように通っていった。



「調伏終了…」

クルクルと首を回し、コリをほぐす。



ただ今、夜中の2時をまわったところ。



「屋台のラーメンでも食べてからホテルに帰ろうかな?」


両手にはめていた手甲を外し、人気のない古い倉庫を出る。



「調伏中によく崩壊しなかったよね〜」

古い倉庫は今にも崩れ落ちそうだった。



街灯がない通りを一人歩く。

暗視術を使ってるため、真夜中でも昼間のように見えるんだ。





その時―――。



「アンタが神崎杏樹?」



背後から男の低い声で呼び止められた。
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