地味子の秘密 其の参 VSワガママ姫サマ
結局……朝から夜まで一日中社長室に篭って仕事をしていたが、杏からの着信が入ることはなかった。
そして、その翌日……。
最悪の知らせが俺のところへ来たんだ。
11月14日。
文化祭が終わって…学園が始まる。
相変わらず、ベタベタくっついて来る楠妃芽お嬢様。
杏からの連絡がないため…俺は苛立ち始めていた。
しかし。
今日は必ず帰って来る日。
杏のことだから、九州で食い倒れ紀行なんかやってんじゃねーか?
それで連絡するの忘れてるとか?
――――充分有り得るな。
自分の考えにクスクスと笑い、次の授業の準備をしようとした時だった。
「滝本君………っ…!!」
杏の親友の松沢柚莉が教室へ飛び込んで来る。