地味子の秘密 其の参 VSワガママ姫サマ
長くてダメージがひとつもないサラサラの黒髪も。
白玉のように真っ白でキメの細かい肌も。
影が出来るくらいに長くびっしり生えていた睫毛も。
乾燥知らずでプルプルに潤っていたさくらんぼ色の唇も………
全てが黒へと変えられていた。
―――どうして杏がこんな目に遭わなきゃならねーんだよ?
あの杏樹だぞ?
普通の凡人じゃない。
頭脳明晰というのもあるが、彼女は他人にはない“力”がある。
本気で“力”を使うと――…簡単に人一人を殺せる。
そして――…死者を蘇らせることも出来る。
杏の“力”があったから、俺は現世に還って来れたんだ。
「………あの遺体は本当に杏樹なのか?」
「…………ホントだよ、滝本君」
「!?」
床ばかりを見つめていた顔を…とっさに声がした相手の方へと向けた。
白玉のように真っ白でキメの細かい肌も。
影が出来るくらいに長くびっしり生えていた睫毛も。
乾燥知らずでプルプルに潤っていたさくらんぼ色の唇も………
全てが黒へと変えられていた。
―――どうして杏がこんな目に遭わなきゃならねーんだよ?
あの杏樹だぞ?
普通の凡人じゃない。
頭脳明晰というのもあるが、彼女は他人にはない“力”がある。
本気で“力”を使うと――…簡単に人一人を殺せる。
そして――…死者を蘇らせることも出来る。
杏の“力”があったから、俺は現世に還って来れたんだ。
「………あの遺体は本当に杏樹なのか?」
「…………ホントだよ、滝本君」
「!?」
床ばかりを見つめていた顔を…とっさに声がした相手の方へと向けた。