地味子の秘密 其の参 VSワガママ姫サマ
長身の滝本君は、お嬢様を上から見下している。


冷たくて…嫌悪感をまとった目で……



「でも………陸さん?
あの女はもう居ないんですのよ?わたくしのことを見て下さい!」


縋り付くように、滝本君の腕を掴んだ。



「………俺が欲しいモノを持って来れたら、考えてやるよ」

「なんですの!?陸さんのためなら、どんなに高価な物でも手に入れますわっ!!」


滝本君は無表情のまま…続ける。



「……生きてる“杏樹”を連れて来て」



「…………ッ……!?」



「……杏樹以外いらねーから。」



冷たい目でもう一度一瞥すると、講堂を出て行く。



お嬢様は滝本君の後ろ姿を見ながら、両手で拳を握りしめていた。
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