地味子の秘密 其の参 VSワガママ姫サマ
――陸Side――


静かな廊下を歩く。



D組の教室まで着くと、出入口の扉に寄り掛かり…教室の窓際の最後尾の席に目を向けた。



『………なんでいるの』


『用がないなら来なくても良いでしょ?』


『はい。今日のお弁当!』







人前じゃ……絶対甘えない。

しかし二人きりになった途端……

『眠たい………抱っこ』

『ギューってして?』

『キスしよ?』

『……ッ……大好き………』


気の強い猫から甘えん坊のチワワになる。




「……お前……どこにいんだよ」


化けてでも良いから、目の前に現れてほしい。




さっき、A組の教室の前を通った時……自分の机の上に、大量の包装された箱が積み上げられていた。


今日…11月16日は俺の誕生日。
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