地味子の秘密 其の参 VSワガママ姫サマ
豪邸の門の前には、一人のメイドが待機していた。


「いらっしゃいませ、滝本様」



杏より少し高いくらいの身長に、濃いブラウン色のボブスタイル。

多分――…タメか、いっこ下。



“こんなに若いメイドがいるんだな”


それが彼女に対しての第一印象。



彼女は一切俺を見ずに、屋敷へと案内する。


杏と同じタイプだな。

相手の容姿に無頓着。


杏は俺より、親父の方へ先に『かっこいい』と言ったし。


付き合い始めてから一度も言われたことねーのに、俺より親父に先に言いやがった。

それに無意識だったのか、言ったことさえ覚えてなかった。



―――ちゃんとお仕置きはたっぷりとしたけどな。
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