地味子の秘密 其の参 VSワガママ姫サマ
青ざめる俺を見て、クスッと笑うメイド…。



「なぁ……お前っていくつ?」

「17です」

「タメなんだ……学校どこ?」

「……華南第一高校です」

「へぇ……ここから近いじゃん」

「……………」



華南第一か………。

スゲーよな。

昼間は学校へ行って、夜は働いて…。



まぁ俺も毎日そんなだけど……。



無意識にコーヒーカップへと手を伸ばして口をつけていた。



「え…………?」



思わず…まじまじとカップを見つめる。



「どうかなさいましたか?」


俺の行動を不思議がったメイトが問い掛けてきた。




「これさ………誰が煎れたの?」

「私ですが………お口に合いませんでした?」



口に合わないなんて……


その逆だ。




そのコーヒーは………



杏が煎れたのと寸分も変わらない味だった。
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