地味子の秘密 其の参 VSワガママ姫サマ
コーヒーのおかわりを頼むと、一緒に小さなガトーショコラがついて来た。



「お腹も空かれたでしょう?」

「…………。」



時刻は、すでに1時に近い。


「これくらいなら、お料理にも影響はありませんよ」


ニコッと優しく微笑まれ……
フォークで口に運ぶ。



「…………美味い……」

「それはようございました」


甘さが控えめで、これなら甘いモノが嫌いな俺でも…食える。


ケーキはペロリと平らげた。




メイドの彼女は目を細めて柔らかく優しい笑みを浮かべていた。



「吉川さん!お嬢様のお支度が調いましたよ!!」

「はい、わかりました。今から滝本様を会場へお連れします」



仕事仲間のメイドが、庭の俺達がいるところまで伝えに来たみたいだ。
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