地味子の秘密 其の参 VSワガママ姫サマ
楠の顔は振袖の色と同じく真っ赤に怒り狂う。
「…大体わたくしはこのような不正には関わっておりませんわ。不正を働いていたのは、パパだけよ!」
「「「「「……………」」」」」
不正……認めたし………。
楠の言葉に楠社長は青ざめ、会場中のマスコミは静まり返った。
「……関わっていない?」
「えぇ、そうよ!」
「確かに不正取引には貴女は関わってはいないでしょう。しかし………貴女は不正よりも大罪を犯したっ!!」
「な…なんですの?大罪って…」
楠の顔が引き攣りはじめる。
「しらばっくれる気ですか?」
「わ、わたくしは何もしてないわっ…!」
「では、これを見ても?」
「え…………」
パチンと再び親父が指を鳴らした。