地味子の秘密 其の参 VSワガママ姫サマ

楠の顔は振袖の色と同じく真っ赤に怒り狂う。


「…大体わたくしはこのような不正には関わっておりませんわ。不正を働いていたのは、パパだけよ!」


「「「「「……………」」」」」




不正……認めたし………。


楠の言葉に楠社長は青ざめ、会場中のマスコミは静まり返った。





「……関わっていない?」

「えぇ、そうよ!」

「確かに不正取引には貴女は関わってはいないでしょう。しかし………貴女は不正よりも大罪を犯したっ!!」


「な…なんですの?大罪って…」



楠の顔が引き攣りはじめる。




「しらばっくれる気ですか?」

「わ、わたくしは何もしてないわっ…!」

「では、これを見ても?」

「え…………」




パチンと再び親父が指を鳴らした。
< 573 / 655 >

この作品をシェア

pagetop