地味子の秘密 其の参 VSワガママ姫サマ


「世の中すべて自分の思い通りになる…と思うなよ」


「………っ……!!」


「何?自分の名前通り、皆がみんな“姫”様扱いしてくれるって思ってんの?……ふざけんじゃねぇ!!」


「………ッッ………!?」


「そういう女ってのが1番嫌い」



ドスッと握りしめていた右手を、テーブルに叩き落とす。


楠の肩がビクリと上がった。



「…お前考えたことあんの?」

「え………」

「自分の宝物を傷つけられて…手元から奪われた奴の気持ち」

「………」

「なんで俺の大事なものを奪うんだよ!?」

「でも……っ……」

「あ゛ァ゛!?」



睨み付けて見下ろすが、楠は続ける。



「ちゃんと警告はしましたものっ!なのにあの女はちっとも陸さんと別れようとしないから……死んでもらうしか………!」
< 578 / 655 >

この作品をシェア

pagetop