地味子の秘密 其の参 VSワガママ姫サマ
何がそんなに可笑しいんだ?
彼女は飽きることなく…クスクスと笑っている。
「滝本社長…クビになっちゃいました」
親父の方を向いて、ペロっと舌を出した。
「良いよ、今日ですべて片付くから。一ヶ月の仕事お疲れ様だったね」
「いいえ、これはあたしの仕事ですから。ご協力ありがとうございました」
まるで前からの知り合いのように話す親父とメイドの彼女。
「…あら?あたしが誰なのかわからないんですか?」
訝しげに彼女を見つめる楠に、問い掛ける。
その瞬間、会場の照明がついた。
一瞬、眩しさに目を閉じるがすぐに慣れる。
「………アンタはただの不細工なメイドでしょ……」
「あれだけヒントはあったのに…気づかないんだ?」