地味子の秘密 其の参 VSワガママ姫サマ
不思議そうな表情で楠を見つめる。


さも『わからないのが可笑しい』というように…。



「滝本様?“神崎杏樹”が得意だったものは?」

「え……」

「いいから、思いつくものを上げてみて下さい」

「……勉強…運動…料理…ピアノ…華道…茶道…書道…弓道……」



指を折りながら上げていく。





「“マジック”………だろう?」

「え…………?」



親父が微笑みながら告げた。

無意識に親父の顔を見つめる。




「さすが……滝本社長。1番得意なものをわかってらっしゃる」

「は……?」



ニッコリと笑う彼女をまじまじと見るが、彼女の話が見えない。



マジックだと……?
< 589 / 655 >

この作品をシェア

pagetop