地味子の秘密 其の参 VSワガママ姫サマ


『お前の罪――冥界よりしかと、この目で見た。天命の先で待つ―――覚悟して参れ』




他の者を圧倒するほどの神気。

頭には冠。

道服を着けて―――。

憤怒の形相。



冥界の長である閻魔大王が目の前に降臨していた。




「…………ッッ……」


『―――これからの天命尽きるまで、我が閻魔がお前の行動をひとつひとつ見ていることをけして忘れるな』


「………っつ……!」



あまりにも恐ろしい形相で睨み付けられているのか、お嬢様の顔は固まっている。


周りを囲む炎がかろうじて顔色を映し出していた。





『―――神崎。ご苦労であった』




無言で頭を下げる。






すると、フッと神気が消え―――会場の照明がついた。
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