地味子の秘密 其の参 VSワガママ姫サマ
振り向くと、仁王立ちの陸様がいた。


「どうしたの?」

「どうしたじゃねぇだろ。また居なくなったかと……」

「???」

「…………」


ボーッと見上げたまま首を傾げる。

すると、陸が絨毯にしゃがみ込んであたしを抱き寄せた。



苦しいくらいに抱きしめられる。



「……サンタって本当にいるんだな」

「へっ?」

「俺の欲しいものを届けてくれた」


嬉しそうに話す陸に申し訳なくなる。



すいません……仕事に集中し過ぎて、クリスマスプレゼント買ってないんだよね…(泣)

この際欲しいもの聞いちゃおう…彼女として恥ずかしいんだけど。

そう言えば……誕生日も渡してない。



「欲しいもの?何だったの?」





しかし


答えは返って来なかった。




言葉では。
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