地味子の秘密 其の参 VSワガママ姫サマ
担任の先生が一度咳ばらいをし、教室を見渡す。



「吉川、前へ出てきてくれ」

「はい」


ゆっくりと席を立ち、席の間を通り黒板の前に出た。


「えー…実はな…この前転校してきた吉川なんだが、また今日でこの学校を去ることになった」


先生が説明してくれる。



転校一ヶ月でまた転校とか…早過ぎだよね。



「じゃあ吉川。みんなに一言挨拶を………」

「はい」



一回深呼吸をして…下を向いた。




ウィッグを取る。


バサッと中から長い自毛が現れ…軽く頭を振った。



「「「「は………?」」」」


教室中から戸惑う声が聞こえる。




カチャ………



縁ありの眼鏡を外した。



前髪を手櫛で整え…顔を上げる。
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