地味子の秘密 其の参 VSワガママ姫サマ
HRが終わり、最後の荷物の確認をしていると……


「なぁ……名前教えて!」

「え……?あっ…神崎杏樹です」


隣の席の男の子から声をかけられた。

すいません。もちろん彼の名前は知りません。


だって名前覚えるの……苦手なんですもん。



「神崎杏樹さん?」

「はい………」


なんか……クラス中の人達から見られているような気がする。

自意識過剰だよね?



「ねぇ……番号交換しない?」

「え?」

「携帯の番号教えてほしいんだけど……ダメかな?」

「あたしなんかの番号が必要なんですか?」


隣の男の子に問い掛けた。


連絡網とか作るのかなぁ…?

いや…あたし今日で転校するし。

必要ないもんね?



頭の中でグルグルと考えていた時――…




「「「「「キャー!!!!」」」」」



黄色い悲鳴が上がった。
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