地味子の秘密 其の参 VSワガママ姫サマ
*第弐章*
†甘々露天風呂
「で?どこ行ってたんだ?」
「……妖猫たちの宴に……」
「あ゛!?」
ヒィッ!?怖いよ――!
後ろから抱きしめてきたのは、お顔が閻魔大王様の陸様でした。
手を引かれて旅館に戻って来たんだけど…
柚莉から特大の雷が落ちた。
「バカ杏樹がっ!どこほっつき歩いてたの!?」
あまりの形相に、相澤君が止めに入る程…。
「ごめんなさい……」
シュン……となって謝った。
柚莉は、あたしに何かあったじゃないかと心配したらしい。
誘拐とか…暴行とか……。
ひとまず柚莉は許してくれたんだけど…
まだ雷を落とした柚莉よりも怖い人が残っていたんだ。
「なんで俺に言わなかった?」
いつもより数倍低い声で、問いただしてくる。