泣き虫少女と強がり少年
「でも、西野は多分…ひかるの事が好」

「あり得ないって!!」

美久の予想通りの考えを、
否定の言葉で遮ってやった。

このやり取りは、小学校の頃から存在していたのだ。


「…じゃあ、なんでひかるはそうやって否定出来るの?」

「だって、西野…私の悪口ばっか言ってくるもん」

私は、今度は深いため息を吐きながら、
お手上げのポーズをして、首を横に振った。

「だから、それは好きって気持ちの裏返しなんじゃないの?」

「ちょ、気持ち悪い事言わないでよっ! あり得ないし!!」

呆れ顔で尋ねて来た美久に
完全に否定して、私は一度深呼吸をする。


「あのねぇ、西野は……」

「何だよ」

「ぎゃっ!!」

私は思わず変な悲鳴を上げた。

西野は、いつの間にやら私の背後に立っていたようだ。
気配を全く感じさせずに。





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