泣き虫少女と強がり少年
ああ、矢野にいつか告白されたい…。
自分から告白なんて、絶対無理だし。

もし、明日…いや、今日矢野に告られたら、どうしよう…。
…勿論、即OKしちゃう!

それで、初めてのデートは水族館で、
…他のカップルも誘っちゃおうか?
帰り道は、手を繋いで…。
学校も、一緒に登校して…。
初めてのキスは…何処で、いつしよう?

「…安藤さーん、聞いてましたか?」

「はっはひぃっ!?」

またいきなり指名され、またも私は変な声を出す。
そこに、西野がいらない一言。

「安藤、さっきもぼーっとしてて怒られたたぜ?」

「まあ、そうなの?」

全然恐くないので皆から嘗められているその先生は、
手を頬に当てて、首を傾げた。

あいつっ…また余計な事をっ……!!

教室中に、さっきよりも遠慮のない笑い声が響く。
私はその中で、顔を真っ赤に染め
教科書に顔を埋めるばかりだった。
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