HEMLOCK‐ヘムロック‐



 サッカーに夢中になり、ちょっとのつもりが気付けは通常の門限の5時どころか、6時をとっくに過ぎていた。

 夕暮れから夜に向かう道を、少年は走って家に向かった。
 母親のパートが終わるのは7時で、今ならギリギリ母親より先に帰れる。


「やっべー!! バレる前に家に着かなきゃ」


 少年は息を切らしてアパートの階段を駆け上った。

首から下げてる鍵を取り出し、家のドアの鍵を開ける。


ガチャン!!


 扉は逆に施錠されたようだ。


「あれ!? もしかして開いてた!? アイツ帰ってから鍵閉めなかったのかよー……」


 ぼやきながら再び鍵を回し、扉を開いた。
 家の中は真っ暗だった。


「た、ただいまー……?」


 次の瞬間、少年が目にしたのはー……
















「!!!!」



 界はそこで目が覚めた。



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