HEMLOCK‐ヘムロック‐
2人の刑事が帰った事務所内は日が傾き、薄暗くなっていた。この部屋は窓が東南に面しているため、この時刻は日差しが入らない。
森永刑事から見せられた界の過去の記事――その内容は、盟は界の妹では無いと言っているに等しいモノだった。
森永刑事には「まだ界と盟には言うな」と口止めされた。
その為透と泉は事情を知っていそうな詠乃に話を聞こうとしたが、詠乃の店は案の定閉まっていた。
不定期な店の定休日は元より、彼女の個人的な連絡先など2人は知らない。
2人は黙ったまま、特に何をするでもなく椅子やソファーに座っていた。
しかし、遂に泉が席を立ち電気を付けた。蛍光灯の光で事務所が無機質に照らされる。
外が余計に暗く見えた。
「透くん、礼二さんに会った事ある?」
しばらく振りに発した泉の言葉が礼二の話題で、透は意外そうな表情で振り返る。
「ある。2・3回だけど」
「やっぱりそんなモンなんだね」
透にとって今のセリフの意味はよく分からなかっただろうが、泉としては、透も自分程度しか礼二と面識がないのだな。と納得しての言葉だった。
そしてずっと引っかかっていた界と礼二の関係……。
森永刑事から見せられた界の過去の記事――その内容は、盟は界の妹では無いと言っているに等しいモノだった。
森永刑事には「まだ界と盟には言うな」と口止めされた。
その為透と泉は事情を知っていそうな詠乃に話を聞こうとしたが、詠乃の店は案の定閉まっていた。
不定期な店の定休日は元より、彼女の個人的な連絡先など2人は知らない。
2人は黙ったまま、特に何をするでもなく椅子やソファーに座っていた。
しかし、遂に泉が席を立ち電気を付けた。蛍光灯の光で事務所が無機質に照らされる。
外が余計に暗く見えた。
「透くん、礼二さんに会った事ある?」
しばらく振りに発した泉の言葉が礼二の話題で、透は意外そうな表情で振り返る。
「ある。2・3回だけど」
「やっぱりそんなモンなんだね」
透にとって今のセリフの意味はよく分からなかっただろうが、泉としては、透も自分程度しか礼二と面識がないのだな。と納得しての言葉だった。
そしてずっと引っかかっていた界と礼二の関係……。