HEMLOCK‐ヘムロック‐
透は指先でペンをくるくると踊らせる。しかし途中でそれは手から落ちてしまった。
待ちに待った光景が、彼らの見つめる先で展開されたのだ。
「透、あれ」
ちょうどパート上がりの咲恵が店から出て来た所で、すぐ隣のコンビニから男が現れ、咲恵に寄っていったのだ。
男は茶髪で身長は170センチあるかないかくらいだ。
「やっとオトコの登場か? 資料のカンジとは違うみたいだけど」
「透、時間書いとけ。あとここの会計頼む。俺は先に2人をつける」
デジカメで2人の様子をおさめると界は席を立った。
「分かった」
そして透の返事を受けると、店を出て2人の方に歩み寄っていった。
いつもは白髪のため、道行く人は界に注目してしまうが、今日は茶髪のフルウィッグと伊達眼鏡で変装しているので難なく2人の近くへ行く事が出来た。
ちなみに尾行はコソコソ離れて着いて行くより、大胆に接近した方が逆にバレにくい。
咲恵と男はバス亭の方向に向かっており、他人を装った風に少し離れて歩いていた。
それでも界の位置だとボソボソと会話は聞こえてきた。
「職場には来ないで下さい。変な噂になりますから……」
「悪かったよ。あんたが1人じゃ心細いと思ってね。迎えに行ったんだ」
待ちに待った光景が、彼らの見つめる先で展開されたのだ。
「透、あれ」
ちょうどパート上がりの咲恵が店から出て来た所で、すぐ隣のコンビニから男が現れ、咲恵に寄っていったのだ。
男は茶髪で身長は170センチあるかないかくらいだ。
「やっとオトコの登場か? 資料のカンジとは違うみたいだけど」
「透、時間書いとけ。あとここの会計頼む。俺は先に2人をつける」
デジカメで2人の様子をおさめると界は席を立った。
「分かった」
そして透の返事を受けると、店を出て2人の方に歩み寄っていった。
いつもは白髪のため、道行く人は界に注目してしまうが、今日は茶髪のフルウィッグと伊達眼鏡で変装しているので難なく2人の近くへ行く事が出来た。
ちなみに尾行はコソコソ離れて着いて行くより、大胆に接近した方が逆にバレにくい。
咲恵と男はバス亭の方向に向かっており、他人を装った風に少し離れて歩いていた。
それでも界の位置だとボソボソと会話は聞こえてきた。
「職場には来ないで下さい。変な噂になりますから……」
「悪かったよ。あんたが1人じゃ心細いと思ってね。迎えに行ったんだ」