HEMLOCK‐ヘムロック‐
 その言葉を受けて少女がどんな顔をしたのか、現在の界には思い出せない。


その記憶自体が、今まで界の中で都合良く消されていた。
嫌な事を忘れようとする人間の特性に従って。


「アイツが俺を兄さんって呼ばないのは……、俺のせいだったんだな」



 しばらくその絵の写真を見ていた。

 盟が居る事が当たり前過ぎて、当時の様な歪を感じる事はもう無くなってしまっていた。


今では彼女も界にとって大切な存在。







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