HEMLOCK‐ヘムロック‐
透には刑事をしている双子の兄がいて、ヤクザや暴力団関係に多少知識があるのだ。
もっとも透自身もある過去の事件でヤクザと関わりを持っているが……。
とにかく透は一旦事務所に戻り、呈朝会について調べる事にした。
固く、白い床とネズミ色の事務用デスク。そしていくつかのダンボールが雑然と置かれた、正に事務所と呼ぶのに相応しい部屋。
外装程の古めかしさは感じないその部屋に男は入った。
そして部屋に奥に居るデスクの椅子に座る中年の男に話し掛ける。
「河端さん、これ、預けてた分です」
黒髪の男は河端という中年の男に大石から渡された小包を渡した。
手のひらより大きめの小包を受け取り、その手で重さを計るかの様に上下させると、河端は満足げに煙草の灰を落とした。
「柏崎……」
黒髪の男は柏崎と呼ばれた。
「大石とか言う男は大丈夫なのか?」
「それなりの金を渡してますから」
「裏切るかどうかいってるんじゃねぇ。ヘマしねぇか聞いてんだ」
「大丈夫です。上手く回ってますよ」
柏崎は目を細めて微笑み、それを見た河端も怪しく口角を上げ笑った。
もっとも透自身もある過去の事件でヤクザと関わりを持っているが……。
とにかく透は一旦事務所に戻り、呈朝会について調べる事にした。
固く、白い床とネズミ色の事務用デスク。そしていくつかのダンボールが雑然と置かれた、正に事務所と呼ぶのに相応しい部屋。
外装程の古めかしさは感じないその部屋に男は入った。
そして部屋に奥に居るデスクの椅子に座る中年の男に話し掛ける。
「河端さん、これ、預けてた分です」
黒髪の男は河端という中年の男に大石から渡された小包を渡した。
手のひらより大きめの小包を受け取り、その手で重さを計るかの様に上下させると、河端は満足げに煙草の灰を落とした。
「柏崎……」
黒髪の男は柏崎と呼ばれた。
「大石とか言う男は大丈夫なのか?」
「それなりの金を渡してますから」
「裏切るかどうかいってるんじゃねぇ。ヘマしねぇか聞いてんだ」
「大丈夫です。上手く回ってますよ」
柏崎は目を細めて微笑み、それを見た河端も怪しく口角を上げ笑った。