HEMLOCK‐ヘムロック‐
 そして流石刑事と言った所。なんと森永刑事は日本での紅龍會に関する情報を持っていたのだ。


「そのイオって男の言う“日本の支部”なのかどうかは分からないが、日本に紅龍會の息の掛かってる組織がいくつかあるって噂だ」


 その内の1つが『鬼竜組』(きりゅうぐみ)。
なんとこの組織、透の3年前の事件で『HEMLOCK』と繋がっていた鬼郡(おにごおり)組を分家に持つ、ヤクザの総本山らしい。

 鬼竜組が紅龍會の日本支部、もしくは同等の関係にあるとすれば鬼郡組が『HEMLOCK』を流していた事も頷ける。








「駆藤、鬼竜組がここ数週間で僅かだが妙な動きがあるんだ」

「礼二さんも気付きましたか。最近鬼竜組が新宿に出向く傾向があるみたいなんです」


 一方透は、礼二と共に鬼竜組ついて調べ回っていた。
透は以前界と呈朝会を調べていた時のあのウェブサイトを見ていた。

興信所で調べても良いのだが、礼二が仕事の合間を縫って捜査への協力を申し出てくれたので彼の会社の捜査室を1部屋借りる事になったのだ。
警察との合同捜査時には出張版捜査本部へと早変わり出来るのも魅力的だ。
< 333 / 343 >

この作品をシェア

pagetop