HEMLOCK‐ヘムロック‐
泉は社長じきじきに連れられエントランスに向かった為、かなり注目を浴びた。
エントランスには界が迎えに来ていた。界はカツラも被らずそのまま来たのか、泉達以上に視線を浴びている様だった。
「界、くん」
「界、久しぶりだな。お前は二度とこの会社に来ないと思っていたが」
「兄貴……」
泉は礼二の発言が気になったが、追及はしなかった。
何より、兄弟である筈の2人の間に、これ以上ない不和の空気が流れているのを読み取ったからだった。
「わざわざアカガネのご令嬢に届け物のお使いをさせるとは。ウチの不注意で悪かったな」
(てか、礼二さん泉の事知ってんじゃん!?)
「いや。泉が世話んなった。ありがとう。……泉、帰るぞ!」
「ハイ!
あ、その、色々ありがとうございました!!」
泉は最後に礼二に向き直って挨拶した。界の手前、『HEMLOCK』の事を言う事は無いが。
礼二も会釈はしてくれたが、目は相変わらずどこか冷たかった。
黒菱探偵社のエントランスを抜け、興信所へ向かって界と泉は歩き出した。
エントランスには界が迎えに来ていた。界はカツラも被らずそのまま来たのか、泉達以上に視線を浴びている様だった。
「界、くん」
「界、久しぶりだな。お前は二度とこの会社に来ないと思っていたが」
「兄貴……」
泉は礼二の発言が気になったが、追及はしなかった。
何より、兄弟である筈の2人の間に、これ以上ない不和の空気が流れているのを読み取ったからだった。
「わざわざアカガネのご令嬢に届け物のお使いをさせるとは。ウチの不注意で悪かったな」
(てか、礼二さん泉の事知ってんじゃん!?)
「いや。泉が世話んなった。ありがとう。……泉、帰るぞ!」
「ハイ!
あ、その、色々ありがとうございました!!」
泉は最後に礼二に向き直って挨拶した。界の手前、『HEMLOCK』の事を言う事は無いが。
礼二も会釈はしてくれたが、目は相変わらずどこか冷たかった。
黒菱探偵社のエントランスを抜け、興信所へ向かって界と泉は歩き出した。