ミモザの朽ち木
流利子が生き返ってから最初の休日がやってきた。

流利子は陶芸教室に行くと言って、午前中のうちに家を出た。

そう言えば、と俺は思い出す。

学生のころに一度、陶芸をやってみたいと口にしていたことがあった。


おそらく、流利子は主婦としての退屈な毎日にマンネリを感じたのだろう。

趣味に励むことで気分転換ができるなら、それは至って健全なことだ。

せっかくの休日に流利子と過ごせないのは残念だったが、かと言って引きとめるのも心苦しい。


俺はとくに何をするでもなく、のんびりと家で休日を過ごした。
< 6 / 66 >

この作品をシェア

pagetop