ミモザの朽ち木
一年が経過すると、流利子はもはや居て当然の存在だった。

死んだという過去は何かの間違いで、今ある日常こそが真実だと感じはじめていた。

むろん、それが都合のいい願望に過ぎないという自覚もある。

時が流れるにつれ、二人の温度差は徐々になくなりつつあり、そのことがどこか寂しく思えた。
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