それでも、私は 。
プロローグ
「ありがとうございました!」
雲ひとつない晴天。
私には引越し日和だなんて思えた。
私は、引越し業者の方々にお礼を言いながらお辞儀をした。
私の名前は、詩織。
環境の良い設備の元で、仕事をしたい。
病気の患者さんを助けて生きたい、という思いを胸に抱いて、
今日東京に上京してきた。
別に、地元でもいいんじゃないの?
なんて思うだろうけど。
まあ、上京するのが私の夢でもあったためで、
そういう口実で来たというのもある。
やっぱり人の量は半端ないのかなあ、なんて思っていたら、
別にそうでもなくって。
都心から少し離れているからかな。
まだ、東京に全く慣れていない私にとっては良い話なんだけれども。